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 Uターンキルン


小型焼却炉とUターンキルンの比較


  • 廃棄物焼却技術の動向
日刊工業新聞 2002年3月22日「淘汰の時代」欄によれば、2001年度の自治体から発注された廃棄物焼却の新設炉は合計30件で、そのうち14件がガス化溶融炉、残りはストーカー炉でした。その中には1日あたり15ton以下の炉が6件あり、その全部が火格子燃焼を行うストーカー炉であったとのことです。

大規模な焼却に対しては、当局の指導もありガス化溶融炉が建設されてきましたが、中・小規模に対しては明らかに設備費・運転費が高くなり、経済性としてはストーカー炉が有利です。

家庭からの一般廃棄物、自治体で発生する下水汚泥など含水率の大きな廃棄物、医療廃棄物、紙おむつなどの介護廃棄物、農産・林産・水産・畜産業で発生する廃棄物、及び食品流通業の廃棄物等を、それらが発生する場所で容易に焼却処理することのできる小型・分散型の設備が必要になっています。

  • 内熱Uターンキルンの参入
株式会社チサキは下図のような内熱Uターンキルンの研究開発に成功しましたが、この炉は次の各分野に応用されつつあります。

・湿潤水産廃棄物・畜産廃棄物・医療廃棄物の無公害焼却
・湿潤林産廃棄物の炭化及び活性炭製造
  • ストーカー炉との比較
小型設備として使用されるストーカー炉においては、空気の流通を行う火格子が使用されます。

台所ゴミ、紙、木片などに富む一般廃棄物は問題なく燃焼できますが、一緒に下水汚泥あるいはプラスチック廃棄物を焼却しようとすると、前者はそのまま滴下し、後者は燃焼炎からの強烈な熱放射線によって加熱されたのちに液化し、火格子の下にしたたり落ちて燃焼します。すなわちそれらは別々の焼却炉を用いなければならず、それぞれが少量の場合には不経済な設備になってしまいます。
これに対し、内熱Uターンキルンは、原料は含水率90%から絶乾の固体まで、液状から塊状まで難なく焼却できるので、地方自治体における局地的発生廃棄物を1つの炉で一括して焼却できることが、ストーカー炉と大きく異なるところです。

下水汚泥・水産廃棄物・畜産廃棄物は含水率が大きくて燃料を使用するためのコストを考慮する必要がありますが、例えば、その近傍に農林産廃棄物、分別可燃ゴミなどの発生があれば、これらを混焼することにより燃料使用を実質的にゼロにすることができます。すなわち燃料消費量が運転コストの問題である場合には、例えば分別プラスチックなどをそのまま投入して主燃料にすることにより大幅なコスト削減が可能となります。
  • 内熱Uターンキルンの特長
地方自治体、あるいは各種産業において、分散して小規模に発生する各種の廃棄物を無公害焼却することが要求される場合、必要によっては一括して焼却でき、燃料コスト・設備コストを最小にする焼却炉を提供できるのが特長です。


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